唾液は、口の中を清潔に保つために非常に大切な役割を担っています。健康な成人では、1日に1.5リットルほどの唾液が分泌されますが、高齢者の場合、唾液線の機能が低下し、少ない方で0.5リットルしか分泌されていないと言われています。

口の中が乾燥してねばねばする

きちんと歯磨きをしているけれど、口の中のニオイが気になるわ
この記事では、口臭が気になる高齢者や介護をしている方に向けて、口臭のケア方法と注意点について説明します。口の中を清潔に保つことは、非常に重要なことですので、ぜひ明日から取り入れてみて下さい。
高齢者に口臭のある人が多い理由
年を重ねると、口の中にも様々な問題が発生します。ニオイが気になるということも珍しくありません。これには、いくつかの理由があります。
口の中が乾燥している
高齢になると、唾液の分泌量が低下し、口の中が乾燥しやすくなります。また、何らかの薬を服用していると、薬の副作用で乾燥を招いていることも少なくありません。
では、なぜ唾液が少なくなると口臭につながるのでしょう。
理由は、唾液には殺菌作用の機能があり、唾液が少なくなると口の中に菌がたまってしまうからです。
乾燥しやすい人は、水を飲んで口の中を潤したり、口の周りを優しくマッサージをすると唾液の分泌を促すことができますので、試してみて下さい。
入れ歯や差し歯に細菌が残りやすい
入れ歯のケアを怠ると、プラスチック部分に口臭のもととなる汚れや細菌が付着します。また、入れ歯と粘膜の間に食べかすが溜まっていたり、差し歯の下に虫歯ができていたりすることもあります。
口の中に汚れが溜まっていくと、細菌が増え口臭につながりますので、毎日のケアを怠らないことが重要です。
高齢者におすすめな口臭ケア用品の使い方と注意点
口臭ケアにおすすめな用品は、いくつかあります。使い方や注意点も重要ですので、必ず商品の説明を読んでから使用して下さい。
舌ブラシ
舌の上に、食べかすや細菌がたまり白く苔状になっているものを舌苔と言います。舌ブラシは、この舌苔を取り除くものです。いくつか種類がありますが、舌を傷つけない軟らかめの毛先のものがおすすめです。
【使い方】
- 舌ブラシを水で濡らします(歯磨き粉は不要)
- 舌ブラシを舌に軽くあて、奥から手前の方向に向かって舌全体を磨きます。
- 数回磨いたら、口を水でゆすぎます。
スポンジブラシ
こちらは、棒の先に柔らかいスポンジがついたブラシです。舌の上や頬の粘膜、上顎など口の中全体をケアすることができます。スポンジが軟らかいので、口の中が敏感な方や、ぬめぬめした汚れがたまりやすい方におすすめです。
【使い方】
- スポンジブラシを水で湿らせ、手で水をよく絞ります。
- 舌や粘膜の部分を優しくこすり、汚れを取り出していきます。
- 汚れを水で洗い取り除きます。
口腔ケア用ウェットシート
拭き取りタイプの口腔ケア用のウエットシートです。すでに湿っているため、ベッド上でのケアや水が無い時のケアにおすすめです。ノンアルコールのため、刺激が少なくすっきりとした仕上がりになります。
【使い方】
- 指にウエットシートを巻きつけます (介助をする方は、必ず手袋を使用しましょう)
- 口の中に入れ、粘膜を拭き汚れを除去します。
保湿剤
口の中が乾燥している場合に、ジェル状の保湿剤を全体に塗ってうるおいを与えます。頑固な汚れや痰の塊が取れないという方にも、ジェルを使用することで軟らかくなり、汚れが取りやすくなります。
【使い方】
- スポンジブラシまたは指にジェルを1cm程度取ります。
- 口の中全体に薄くまんべんなく塗ります。
- 汚れを取る時に使用する場合は、やわらかくなった汚れをしっかり取り除きます。
マウスウォッシュ
ドラックストアなどでよく見かけるマウスウォッシュ。液体を口の中に含み、全体に行き渡らせるようにします。虫歯や歯周病対策、口臭予防に効果的です。
【使い方】
- 適量の液体を口の中に含み全体に行き渡らせます
- 液体を吐き出します
まとめ
この記事では、高齢者の方におすすめな口臭ケア用品について紹介しました。それぞれの使用目的や好みによって、自分に合ったケア用品を使用することが重要です。
一般的な使い方と注意点を紹介しましたが、各商品によって違いがありますので、必ず商品に記載している説明に従って使用して下さい。